認知症の周辺症状

周辺症状

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周囲の人との関わりのなかで起きてくる症状を「周辺症状」と呼んでいます。周辺症状は、本人がもともと持っている性格、環境、人間関係などさまざまな要因がからみ合っておきてくる症状なので、患者さんごとに現れ方が違ってくるようです。
周辺症状には幻覚、妄想(物取られ妄想が典型的)、抑うつ、意欲低下などの精神症状と徘徊、興奮などの行動異常があり、最近ではBPSD(Behavior and-Psychological Symptoms of-Dementia)と呼ばれるようになってきています。

抑うつ

うつ状態は、一般に認知症が高度になる以前にみられるのが普通です。認知症がはっきりする以前にうつ状態が先行して見られることもしばしば見受けられます。

幻覚・妄想

認知症の初期に目立つことが多い症状です。
妄想の主題は「現実的」なのが特徴で、妄想の対象は身の周りの人が多いという傾向があります。特に、「物盗まれ妄想」は、老年期にみられる典型的な妄想のタイプです。認知症を発症している老人が、物の置き場所を忘れてしまったために被害妄想が生じるという単純な理由で、説明が可能というわけではありません。妄想対象に対する強い攻撃性が見られ、ものが見つかっても自分の誤りを認めようとしません。「嫁が私の財布を隠した」等と言い張るのは良い例です。

せん妄

せん妄は、急性の脳障害に伴っておこる軽い意識障害で、判断力や理解力が低下し、しばしば幻覚や妄想があらわれて興奮状態になります。健康そうに見えても潜在的な脳疾患があるような高齢者に生じやすく、認知症患者ではしばしば認められます。
意識障害のために見当識や認知能力の低下が起こり、同様の症状がみられる認知症との鑑別がしばしば問題となります。
せん妄の症状は認知症と違い、時間単位あるいは分単位での急速な変化や、日内変動を伴いやすいのが特徴です。とくに、夕方から夜間にかけ起こりやすく、しばしば異常な興奮状態を伴います。徘徊したり奇声をあげたりするなどのために、介護する人にとって大きな負担になります。

暴言・暴力

自分自身の感情をコントロールできなくなることによっておこる症状です。
介助のときや行動を制限するときに現れる傾向があります。暴言や暴力、大きな声の威嚇などが具体的な症状になります。また幻覚や妄想からおこる場合もあります。比較的若い患者さんの場合、体力もあり力も強いことなどから、介護する人にとって大きな負担になります。

徘徊・行方不明

一般的に、認知症が進行すると徘徊が顕著にあらわれるようになり、帰る道筋が分からなくて行方不明になることも増えてきます。せん妄が関係している可能性も考えられます。
自分の住んでいる場所が自分の家であることがわからなくなり、生まれた家や転居前の居宅など以前住んでいた家が本当の住まいだと思い探し歩いたり、物を置いた場所を忘れたり、トイレの場所がわからなくなり探して歩き回ったりします。一見、無目的に歩き回るように見えますが、その実、何らかの理由が存在することが多いようです。

異食

中度から高度の認知症にみられます。紙、土さらには、糞など、食物でない物を食べてしまうことがあります。脳の特定の部位の障害によって現れる「手に触れる物は何でも口に入れてしまう傾向(口唇傾向)」によると考えられます。
異食の前段階においては、廊下や家の中を徘徊している途中で、周辺に落ちているものを拾っては集める行為から、それを食べ物と誤認して口に入れる行為につながっていくと推測されます。

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Filed under: 認知症 — admin 9:42 PM